この記事は障害福祉サービスの事業所の経営者様が「社会保険労務士」に業務を依頼する際に知っておきたいポイントについて解説しています
目次
障害福祉サービスに強い社労士の選び方とポイント

障害福祉の事業を行っていて、労務管理等の問題に直面するケースは多々あるかと思います。
その際に、ご自身で解決できる部分と、法的な解釈に迷う部分が少なからず出てくるのではないでしょうか?
この記事では、「障害福祉サービス」に特化した社労士が、障害福祉サービス事業所における労務管理の注意点と、社労士に依頼する場合にどのような契約で依頼すれば良いかなどを踏まえて、解説していきます。
この記事でわかること
✅障害福祉サービスに強い社会保険労務士の選び方とポイント
✅処遇改善加算や助成金申請への社労士の活用方法
✅障害福祉サービス事業所の労務管理と、社労士活用のメリット
障害福祉事業所における社労士の役割とは
では始めに、「障害福祉事業所における社労士の役割」について焦点を当てていきましょう。
障害福祉事業所で社労士が携わる業務を箇条書きで挙げていくと、下記の通りとなるかと思います。
障害福祉事業所における社労士の業務
- 障害福祉処遇改善加算に係るキャリアパス要件の整備
- 障害福祉処遇改善加算に係る職場環境改善要件の整備
- 一般的な労務管理、障害福祉サービスの人材確保の取組み、採用支援
やはり「障害福祉処遇改善加算」に関する業務や、業界全体の人材確保に関する課題に関する業務が多くなるかと思われます。
障害福祉業界に特化している社労士が必要な理由
前述の通り、障害福祉事業所に関する社労士の業務は特殊な部分が多くあります。
特に「障害福祉処遇改善加算」においては、下記の項目を証明するために「就業規則」「給与規程(賃金規程)」「給与明細」「労働保険関係成立届」「確定保険料申告書」などの証明書類をきちんと整備しておく必要があります。
✅処遇改善加算による賃金改善以外の部分で賃金水準を引き下げない
✅処遇改善加算の全額を賃金改善に充てる
✅キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲについて、その証明となる書面を作成し、従業員へ周知する
✅労基法等、労働諸法令に関する法令に違反していない
✅労働保険料の納付が適切に行われている
✅賃金改善に関する方法を職員に周知する
その上で、上記の全ての内容について、全て満たしていることが必要となります。
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障害福祉に強い社労士を見極める基準
では、どのような社労士に業務を依頼するべきでしょうか?
下記のポイントに注意して見極めることが必要かと思います。
障害福祉に強い社労士を見極める基準
- 障害福祉サービス経験者の社労士
- 障害福祉業界の専門用語が通じる社労士
- 柔和で福祉の人材にマッチした気質の社労士
特に2番目の「障害福祉業界の専門用語が通じる」部分は重要かと感じます。
例えば、人員配置において
サビ管、児発管、支援員、指導員、児童指導員、OT・PT・ST・CPと言われてもどのような職種なのかわからない。
そもそも何をしているのかも想像が付かない社労士はかなり多いです。
例えば、「障害福祉処遇改善加算」であれば上記のような職種の人員についての評価基準を作成する際に、どのような業務を行っているかを知らなければ、正確に書類を作成することは難しいのではないでしょうか。
ココがポイント
また、障害福祉サービス特有の労務問題(人間関係・ハラスメント等)についても、現場経験者の方が的確なアドバイスができます
処遇改善加算や助成金申請への社労士活用法

福祉・介護職員処遇改善加算の正しい算定方法
障害福祉サービス事業所であれば必ずと言っていいほど算定が必要な「処遇改善加算」ですが、ルール通り算定できていない事業所も稀に見かけます。
障害福祉処遇改善加算の算定要件は、下記の通りです
福祉・介護職員等処遇改善加算の算定要件「区分Ⅳの場合」
- 本加算の1/2以上を月額賃金の改善に充てていること
- 職場環境の改善を実施していること
- 賃金体系等の整備や研修を実施していること ※1
※1については「令和6年6月改正前の福祉・介護職員処遇改善加算」の「キャリアパス要件(Ⅰ~Ⅲ)」に相当する取組みです。
処遇改善加算を申請する際は上記の"算定要件"を満たせるかどうかを確認することから始まります。
ココに注意
上記の算定要件を全て満たした上で、
① 就業規則・給与規程・キャリアパスシートの整備、従業員への周知(見える化要件)
② 処遇改善加算計画書の作成・提出
③ 賃金改善実施期間内に賃金の改善を実施
④ 処遇改善加算実績報告書の作成・提出
という流れが一般的です。
ただし、令和7年度においては「処遇改善加算計画書」を提出する際に、年度内にキャリアパス要件等の整備を行う"誓約"を行うことで算定が可能となる経過措置が取られています(要件免除ではないことに注意してください)
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処遇改善加算算定に社労士が関与するべき理由
前述の通り、処遇改善加算には社労士が携わるポイントが多々あります。
特に「就業規則」「賃金規程」「キャリアパス要件」の部分については社労士に依頼した方が人件費の管理や効率的な運用ができ、仮に事業所独自で申請を行う場合は、制度をきちんと理解していないと意図しない費用がかかってしまう場合が多々あります。
事業所独自で処遇改善加算を運用していた実際のケース
●処遇改善加算 区分Ⅱを算定しており、算定額の半分の額を毎月の手当で分配しなければいけないという認識
●取り合えず入ってきた額を全額従業員へ分配
●積算表の作成はしていない
●実績報告書はチェック欄に「○」が付けばOKだと思っている
上記のような対応をされている事業所さまはかなり多く見受けられますが、実地指導等で指摘が入り、結果的に分配不足(若しくは意図せず分配額を大幅超過)となってしまう場合が殆どです。
各種助成金申請との組み合わせ
また、障害福祉サービスに特化した社労士が処遇改善加算のサポートをすることで、様々な助成金が申請できることがわかったり、申請方法についてアドバイスを受けることができます。
例えば、有名な「キャリアアップ助成金 正社員化コース」の場合、賃金上昇要件に処遇改善加算を活用させたり、「賃金規定等改訂コース」における「職務評価」の手法の活用にキャリアパス要件を絡ませたりすることも可能です。
「賃金を改善して従業員の待遇をアップさせる」という趣旨の助成金であれば、基本的に処遇改善加算との相性は良いです。
ココがおすすめ
障害福祉サービス事業所の労務管理と社労士の役割

では最後に、障害福祉サービス事業所における社会保険労務士の役割をおさらいして本記事を締めさせていただきたいと思います。
障害福祉サービス事業所の労務管理の重要性と対応策
前述の通り「処遇改善加算」の算定要件には"労働基準法、その他の労働諸法令に違反していないこと"が条件となります。
万が一違反していた場合は、労働基準法による罰則があるだけでなく、「処遇改善加算の全額返金」という厳しい命令まで下される可能性もあるため、障害福祉サービスにおいては、社労士を顧問でつけておいた方が安心と言えます。
もちろん顧問料のランニングコストがかかってしまいますが、こちらも前述の通り「処遇改善加算」と雇用保険における助成金との相性は比較的良いので、結果的な費用負担は少なくなるでしょう。
ココに注意
例)
●事務員や人事担当者を雇う場合
月額:200,000円以上の人件費(給与として)
●顧問社労士に依頼する場合
月額:25,000円~35,000円程度(顧問料として)
障害福祉サービスに強い社労士事務所
ハープシール社会保険労務士事務所
弊所「ハープシール社会保険労務士事務所」は、障害福祉サービスに強い社会保険労務士事務所です。
✅代表者が障害福祉サービス経験者
✅障害福祉サービス事業所における労務対応(人間関係調整、ハラスメント解決)の経験が豊富
✅処遇改善加算や助成金の他、法改正や最新の労務トレンドを徹底的にサポート
障害福祉サービス事業所さまで社労士を検討している・これから検討するご予定がある場合は、ぜひご一考ください。